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「小満」と「熱中症」


五月も20日を過ぎ、夏のような暑い日もあれば、まだまだ肌寒い日もあります。

衣替えの時期ではありますが、昼間と夜間の温度差も開きがあるので、上着の備えは必要のようです。

旧暦では、この時期を「小満」と呼びます。

自然界のいのちが少しずつ満ち満ちていく季節で、草木や花、鳥や昆虫の類、そして私たち人類も、太陽の光を浴びて輝き、活き活きとします。

昔は、「旧暦の五月に降る雨」ということで、「梅雨」のことを「五月雨(さみだれ)」と呼んでいたそうです。

そして、この時期のどんよりとした雲のことを「五月雲」、雨が続いた合間のふと途切れて現れる青空を「五月晴れ」と読んでいました。

新暦となった今では、爽やかな晴れの日を「五月晴れ」と呼ぶようになり、私もこのような意味で使っている一人です。

私は現在、週末に「鍼」を「楕円のボール」に持ち替えて、中学生にラグビーを指導しています。

子供たちと一緒にボールを追いかけ、汗を流すことは、アラフィフの私の身体にはかなりの負担になっていますが、同時にかけがえのない喜びでもあります。

先日20日の日曜日は、まさに「五月晴れ」にふさわしい晴天で、澄み渡る青い空を見上げ、一筋の飛行機雲に思わず見入ってしまいました。

山の中にあるグランドは、太陽の日差しこそ強いのですが、爽やかな風が通り抜け、非常に気持ちよくラグビーができます。

虫がいろいろ出てくるので、虫刺されに警戒しなければならない困難もありますが、自然に囲まれていることは最高の贅沢です。

山の緑は徐々に色濃くなり、夏の到来を予感させてくれます。

駆け抜ける風の香りと涼しさに、ひとときの「癒やし」を得ることもできます。

コンクリートの街中では感じることが出来なくなった風景を、グランドに来ると体感できます。

「小満」のこの時期は、「熱中症」にも気をつける必要がります。

午前中は肌寒く感じても、少し太陽が上がり始めると急激に温度が上昇します。

スポーツをする場合に気をつけるポイントがいくつかあります。

まず第一点、「喉に乾きを感じる前に、早めに水分を補給すること」です。

喉が乾き始めてから水分を補給しても間に合うように思いがちですが、身体が水分を吸収してから身体の隅々の細胞へと行き渡らすには、「時間」が必要です。

このタイムラグが問題となることになるので、身体を動かす前や準備運動中に、水分を少しずつ補給するように心掛けましょう。

第二点は「激しく運動する前には、十分な発汗を促すこと」です。

体温を下げるには、「発汗」の作用に頼ることになります。

汗による水分で濡れた皮膚において、水分が蒸発する時の気化熱により、体表から温度を奪って行きます。

準備運動の段階で発汗しておくことで、急激な運動による体温上昇時に身体が素早く対応できるので、体温のコントロールがとてもスムーズになり、安心です。

第三点は「冷たすぎる飲み物は控える」ことです。

気温が高くなればなるほど、冷たい飲み物が欲しくなります。

スクイズボトルの水も常温では生温くなってしまい、やはり「のどごし」がよくありません。

ラグビースクールでも、「小満」のこの時期になると、水だけのものとスポーツドリンクを薄めた飲料の中に、製氷機の氷を入れることが増えてきます。

激しく動いたあとの冷たい飲料水ほどありがたいものはありません。

地上にこれほどうまい飲み物があるのかと思うほどです。

しかし、頭が欲するままに飲み続けてしまうと、急にバテ易くなってしまうことがあります。

そのため、運動のパフォーマンスが低下したり、集中力の低下による怪我の危険性が高まったりします。

冷たいものを飲むことで、胃腸は急速に冷やされます。

胃腸などの深部温度は体表温度よりも1度ほど高く、37度以上なければ胃腸の働きが低下して免疫などの機能にも多大な影響を与えることが判明しています。

それを防ぐため、身体は冷えた胃腸の温度を37度まで温めようとし、大量のエネルギーを要求するようになります。

その結果として、バテやすくなってしまいます。

東洋医学においても、このようなことが言われています。

汗をかくと、体内の「陽気」も一緒に発散することになり、「虚」となります。

その時に「風」にあたると、寒気はこの「虚」を衝いて皮膚へと入り込みます。

陽気というものは、精神や筋肉の機能を養う役割があります。

寒気が皮膚から入り込むと、筋肉へとさらに深く入り込み、筋肉が陽気の養いを受けることができなくなり、筋肉がひきつりを起こします。

そんな折に、体内に冷たい飲み物を入れてしまえば、更なる陽気を失うことになり、寒気を直接深部に引き込むことになります。

さらなる寒気の侵入は、血脈にまで到達し、血の流れが滞ります。

「血の滞り」が起こると、あらゆる機能不全が起こる可能性が高まり、まさに「熱中症」のような症状が起こりやすい状況となります。

「小満」の時期は短く、快適な季節ではありますが、「陽気」のコントロールにも気を配り、体調管理を怠らないようにして欲しいと思います。